認知症
認知症はどんな病気?
認知症は脳神経細胞が原因の病気です。
一方、精神疾患のなかにも認知症によく似た症状の病気があるため、正確な診断が必要です。
当院では精神疾患の専門的な視点で診断し、「認知症治療病棟」という専門の病棟で治療やリハビリを行います。
認知症の症状は、
①中核症状(記憶障害、失語など)
②行動・心理症状(徘徊、妄想、暴力、暴言など)
に分けられます。
①中核症状は、進行していくものなので、できるだけ今できることを維持するための治療を行います。
一方で、②行動・心理症状は、治療で改善することができます。
当院では、②行動・心理症状が重度の患者さまを多く受け入れています。
生活環境や対人関係の改善、作業療法(リハビリ)、適切な薬などの治療をすることで、ほとんどの方は2週間から1カ月で症状が落ち着きます。
当院の認知症治療
『快』をテーマにした認知症治療
認知症で意思疎通が難しくなっても、患者さまには快・不快を感じる心が残っています。
「不快」を取り除き、楽しくて幸せな状態をつくることが、認知症のスムーズな治療に繋がります。
当院の認知症治療は、患者様の「快」をテーマにしています。
患者様は自分でできることが減るストレスを感じているので、リハビリは、楽しくて自信を取り戻せるよう工夫しています。
たとえば、回想法と音楽療法を組み合わせた治療では、若いころに聴いた童謡曲や同様を歌いながら、当時の回想を繰り返すことで、楽しみながら認知機能を維持し、行動・心理症状を緩和します。
認知症治療病棟(専門治療病棟)
当院には、認知症の治療に特化した「認知症治療病棟」があります。
認知症に精通した専門職と、機能訓練室などの専用の設備が整っています。
機能訓練室の様子。認知症治療病棟専用のプログラムを行う
認知症治療病棟の
1日のスケジュール
- AM6:00
- 起床
- AM8:00
- 朝食
- AM9:00
- 口腔ケア・お茶タイム
- AM10:00
- 午前の活動
- AM11:00
- お茶タイム・嚥下体操
- PM12:00
- 昼食・口腔ケア
自由時間
- PM14:00
- 午後の活動
- PM15:00
- お茶タイム
- PM18:00
- 夕食
- PM21:00
- 就寝
退院後の暮らしもサポート
重度認知症患者デイケア すずらん
患者さまが退院後も悪化せずに、自分らしく生活するため、入院中から退院後の生活を想定してリハビリやアドバイスをしています。
退院後は「重度認知症デイケアすずらん」をご利用いただき、リハビリを継続していただけます。
週の数日でもご自宅や施設から離れて過ごすことで、ご家族の負担の軽減にもなります。
対人関係が良好になると認知症の症状の軽減にもつながり、良いサイクルが生まれます。
ご家族へのサポート
家族セミナー
ご家族向けに、認知症についてや、患者様ご本人との接し方を学ぶセミナーを開催しています(年1~2回・疾患別)。
詳しくはお問い合わせください。
認知症の事で困ったときは
(久留米市内)
当院では、「久留米市認知症初期集中支援チーム」として、「認知症になっても住みやすい地域づくり」をサポートしています(久留米医師会が受託し、聖ルチア病院が運営)。
久留米市の地域包括支援センターへの相談の中で、困難な事例について、当院の専門職が出動し、医療や介護など適切なサービスに適切につなぎます。
「本人や家族が認知症を受け入れられず、医療や介護サービスを受けられていない」「身寄りのない認知症の方が一人で暮らしていて困っている」など、
認知症に関して困ったことがあれば、まずは久留米市の地域包括支援センターへご相談ください。